ヤマハピアノ演奏グレード受験に当たって、自由曲に、一体、どのような曲を選んだらよいのか、迷う方も多いのではないでしょうか?
自分の経験と、これまでの受験者の傾向から、選曲のポイントについて、お伝えしたいと思います。
ヤマハグレード受験要項には〜〜〜
すべて異なる作曲家の作品から選択してください。
できるだけ幅広い年代の作品であることや曲想・テンポ等の違いも考慮し、選曲してください。
と、書かれています。
ですので、バロック、古典、ロマン、近現代、と4期の時代がありますので、バラバラの時代から、選べば問題ないです。
5.4級の場合、自由曲は3曲ですから、バロック・古典・ロマンや、バロック・古典・近現代、古典ソナタに自身のない方は、バロック・ロマン・近現代にもできます。
ロマン・ロマン・近現代のような、同時代2つはやめましょう、ということです。
しかし3級になると、自由曲は4曲ですので、バロック・古典・ロマン・近現代から、各1曲ずつ選べばよいわけですが、例えばロマン派でも、ショパンと、シューマン、ブラームスなどドイツものでは全く別物ですので、バロック・古典から1曲、ロマン派の国・性格の異なる作品から2曲、近現代1曲でもOKとなります。
近現代も、ドビュッシー・ラヴェルなどのフランスものと、ラフマニノフ・スクリャービン・プロコフィエフなどのロシアものでは、全く別物なので、バロック・古典から1曲と、ロマン1曲、近現代2曲というのもOKです。
実際、私のピアノグレード3級受験曲は、
バッハ平均律フーガ
ショパン エチュード
ブラームス 6つの小品バラード
ドビュッシー花火
でしたので、古典なしの、ロマン2つで受験しました。
次に、曲の難易度についてですが、
バロックは、バッハだと、5級ならインベンション、4級ならシンフォニア、3級なら平均律以上を目安に選べばよいかと思います。
バッハのフランス組曲、イギリス組曲、パルティータなどから1曲や、スカルラッティソナタなどは、5〜3級、どれでも大丈夫なので、試験官にとって耳慣れた、インベンション・シンフォニアから選ぶより、むしろオススメです!
古典派については、5〜3級、ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン、どのソナタを選んでも大丈夫ですが、2楽章や、月光1楽章のような、ゆっくりとした緩徐楽章は、やめましょう。
またソナチネアルバムに入っているソナタだと、簡単なので、ダメではありませんが、違うソナタをオススメします。
ロマン・近現代は、たくさんの選択肢がありすぎて、一概には言えませんが、試験なので、いわゆる名曲ではないものを選んだ方が無難です。
ショパン子犬のワルツ、幻想即興曲、リスト愛の夢、ドビュッシーアラベスク1番、月の光、といった、素人でも知っているような名曲のことです。
耳慣れた曲というのは、どうしても基準が厳しくなり、粗が目立ちますから、例えば、ドビュッシーアラベスクなら2番を、ベルガマスク組曲なら月の光ではなくプレリュードや他の曲を、選んだ方が無難です。
とはいえ、試験官も納得の、完成度の高い演奏ができるのであれば、名曲を選んでも全く問題はありませんので、弾ける方は、ご自由に選んでください。
難易度は、5級なら、ショパンワルツのテンポの速いものや、即興曲程度、4級ならリストやラフマニノフプレリュード程度、3級ならショパンエチュード以上のものを持っていけば大丈夫かと思います。
結局のところ、グレードの合否は、演奏レベル(表現力・音の綺麗さなど)によるところが大きいです。
グレード試験では、楽曲演奏より前に、まず初めに即興課題がありますが、
即興のテーマを弾いた時点で、弾き方、音の出し方から、その人の演奏レベルはもう分かる
自由曲をどういうふうに弾くかは、すでに想像がつく
と、以前、日吉でヤマハグレード講座に通っていた時に、試験官の先生がおっしゃっていました。
自分が、ヤマハグレード対策レッスンするようになって、たくさんの方にお越し頂くようになり、いろんな方の演奏を聞いていると、なるほど、その通りだな、と、実感。。。
演奏力の底上げというものは、一朝一夕ではできないことですが、ヤマハグレード取得を1つの目標として掲げて頑張るのと、なんとなく趣味で練習していくのとでは、取り組み方の本気度が変わりますので、目指してみるのもよいかもしれません?!
音大ピアノ科レベルの方なら、とにかく即興を練習して、できるようになれば、合格はできます!
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